リブランディングをしようと思ったはいいものの、どんなことをすればいいんだろう?どんなことをすれば効果が出るのだろう?と迷っている方は多いのではないでしょうか。一言に「リブランディング」と言っても様々な手法があり、自分たちが抱えている課題によって、手法も様々だからです。
そこで今回は、今までに様々な企業が行ってきたリブランディングの「成功事例」と「失敗事例」をご紹介します。
実際にリブランディングを行って成功or失敗した先人たちの事例(経験、判断)を元に、自分たちが抱えている課題の再確認し、適切な施策は何なのかを考える参考にできればと思います!
成功事例
まずは成功事例から見ていきましょう。
※正確な企業名に関しては伏せさせていただいています。
有名チェーン「S社」
知らない人はほとんどいないであろうS社、実はリブランディングによって成功している企業です。
S社がリブランディングを行ったのは2011年、実際に行った施策は【ロゴの刷新】でした。
以前のロゴは丸いロゴの中にイラストがあり、上側に社名、下側にコーヒーと書かれていましたが、刷新後のロゴは全体的なテイストは変わらないものの、文字を取り払ってイラストのみとなりました。
刷新した意図としては、「取り扱い商品の種類拡大」ということで従来のロゴでは「コーヒーだけ」というイメージが拭いきれないためだそうです。
批判は多かったものの、2023年現在では季節限定商品を多数展開するなどをして、女性客を中心としつつも幅広いターゲット層を取り込んでおり、リブランディングの効果が如実に表れていると言えるでしょう。
ブランド「S社」
子供や女性に人気の高いキャラクターを展開しているS社が運営するテーマパークです。
開園当初か子供および家族連れをメインターゲットにしてきたテーマパークを運営するS社ですが、来場者数は年々減少していました。
そんなS社が行った施策は、【メインターゲットを「子供」から「20代~30代の大人」へと変えた】事です。
子供だけをターゲットにしてしまうと大人になるにつれて次第に敬遠されがちになってしまうところですが、大人をターゲットにすることで、「昔遊びに来ていた層」や「子供を持つ年齢になった層」を取り込むことが可能になります。
実際に、この施策によって来場者が過去最低だった年の倍以上となるなど、リブランディングに成功していると言って良いでしょう。
最近では、S社でも特に有名なキャラクターが様々な広告に使われていたり、観光地でも見かけたり、そのキャラクターを知ってはいるものの興味がなかった層の目に留まることで、「S社」というブランドを思い出してもらう、認知してもらう事にも一躍かっているなど、これもリブランディングの一種と言えるのではないでしょうか。
メーカー「M社」
皆さんも必ず一度は耳にしているメーカーであるM社も、リブランディングによって現在の方向性を見出し、成功している企業です。
リブランディング前のM社は、当時行っていた販売施策が思うような結果が出ないという状態でした。
そこで新たに「値引き戦略」による販売施策を実施するものの、これによって新商品の値段が安くなり、下取り価格まで大きく値崩れを起こす事態となりました。
結果、M社の商品の下取りを断られる事態も発生し、最終的にM社の商品はM社以外で売れないという状況になっていました。
そこでM社が新たに行った施策は、シェアを増やすのではなく、M社を好きでいてくれる【コアユーザーを主軸においた商品およびブランド】を作り上げていくというものでした。
そういった「熱狂的なファン」に綿密なヒアリングを行うことで、現在のM社のブランドを作り上げることに成功したのです。
失敗事例
次は失敗事例を見ていきましょう。
食品メーカー「C社」
C社も、聞いたことがない人はいないくらい有名な企業ですが、実は一度リブランディングで失敗しているんです。
世の中のほとんどの人は人生で1度はC社の食品を購入したことがあると思いますが、C社が行った施策は【味を変える】という大胆なものでした。
自信を持って行った味変ではあったものの、案の定批判の声は強く、最終的には3か月ほどで元の味に戻ったという経緯があります。
「〇〇といえば××」として既に世間に定着してしまっているものを変えるのはリスクが大きい、という良い例だと言えますね。
有名チェーン「B社」
こちらも大胆な施策を行ったもののうまくいかず、リブランディングがうまくいかなかった企業の一つです。
B社が行った施策は、【ブランド名の変更】でした。
従来のブランド名から名称を変更。
当然ながらロゴも刷新されるのですが、こちらからは肝心の主力商品が消え、違う商品にさし変わりました。
主力商品をロゴから無くすというあまりにも大胆な施策ですが、こちらは「話題にならない」という形で失敗しています。
C社ほど痛手ではないものの、思い描いていたような成果に全く寄与しなかった、非常に残念な結果となってしまいました。
事例を振り返って
こうして見ると、大企業でもリブランディングは難しい施策だという事がわかりますね。
むしろ大企業の方がネームバリューや世間の認知もあって、難易度は高いのかもしれません。
しかしながら、リブランディングは成功・失敗どちらも共通して「次なるステージに上がるための第一歩」として行われており、どの企業も避けては通れない道と言えるでしょう。
難しく、不安も大きいリブランディングですが、これらは同時にチャンスでもあると言えます。
組織に属するメンバーで一丸となって、リブランディングを成功に導いていきましょう。