会社でホームページ担当者になったら、さまざまな作業をしなければなりません。
具体的にどのような準備をすればよいかを把握していなければ、スムーズに業務へ取り組めないでしょう。

今回は、会社でホームページ担当者になった時にやるべきことと、準備すべきことを解説します。

ホームページ担当者になって最初にやるべきこと

ホームページ担当者になったら、最初に以下の作業をします。

  • 現状分析:自社のホームページの現状を把握する
  • 目標設定:具体的な数値目標を設定する
  • ターゲット設定:誰にホームページを見てもらいたいのか

それぞれの内容を理解し、自社のホームページが設定したターゲットに刺さるような運用をしましょう。
下記で詳しく解説します。

現状分析:自社のホームページの現状を把握する

ホームページを運用する上で、現在のアクセス数や直帰率などの現状分析をすることは非常に大切です。

ホームページの現状を把握したい場合は、Googleアナリティクスを用いて数値化してデータを把握しましょう。ホームページを運用する上で、正確な数値の把握は常に重要です。現状を把握するための仕組みが整っていない場合は、その辺りから構築する必要があります。

またユーザーテストを用いて、ホームページに訪れたユーザーの感想や行動を分析することも大切です。自分目線ではなく、客観的な意見を取り入れられるようにしましょう。

次に自社の現状を把握するために、同じ商材を取り扱っている競合サイトを調査することもおすすめです。競合サイトを調査すれば、自社のことがよくわかります。それだけでなく競合他社の戦略や、ターゲットのニーズ調査に活用できます。

まずは上記の行動から、ホームページの現状を徹底的に把握しましょう。

目標設定:具体的な数値目標を設定する

現状分析を終えたら、最終目標(KGI)を設定しましょう。

例えば、ホームページからのお問い合わせ件数を月50件にするなど、具体的な目標を設定しましょう。数字を設定すると、実際に目標を達成したかどうかが把握しやすくなります。

ただ、KGIを設定しただけでは目標達成のプロセスが明確になっていません。そこで大切なのが、KPIです。KPIとは、KGIに対する各プロセスの達成度合いを評価するための指標です。

<KGIとKPIの設定例>

  • KGI:3月までにお問い合わせ件数を月50件にする
  • KPI:サイトのPV数を12月までに3,000まで伸ばす
  • KPI:2月までに〇〇というキーワードで検索順位を1位にする

このように具体的な目標をたてることが重要です。

ターゲット設定:誰にホームページを見てもらいたいか

目標設定が完了したら、ターゲット設定をしましょう。
どのようなユーザーにサイトを見て欲しいかを明確にすれば、どのようなコンテンツを作れば良いかが明確になるためです。

例えば、20代〜30代の小学生の子どもがいる専業主婦をターゲットにした場合、コンテンツの仮説として「10分で作れる料理のレシピ」などがあげられるでしょう。また、フレンチレストランのような「コース料理の作り方」などのコンテンツは避けるべきだと判断ができます。

目標を達成するためにも、明確なターゲット設定をしましょう。

ホームページ制作・リニューアルに必要な準備

新たにホームページを制作する、もしくはリニューアルをする場合は、以下の4つの準備が必要です。

  • 情報収集
  • コンテンツ企画
  • 制作会社と連携
  • 運用体制

それぞれの準備をしたうえで、実際にホームページの運用を始めましょう。

情報収集

ホームページ制作をする場合は、競合や市場の情報収集をしましょう。
ユーザーは信頼性の低いホームページには、お問い合わせをしません。

具体的には、次のような情報収集を行いましょう。


自社について

  • 会社概要、事業内容、商品・サービス情報
  • 企業理念、ビジョン、強み
  • ターゲット層、顧客像
  • ホームページの目的(認知度向上、リード獲得など)

競合他社について

  • 競合他社のホームページの構成、デザイン、コンテンツ
  • 競合他社の強み・弱み
  • SEO対策、キーワード分析

市場・顧客について

  • ターゲット層のニーズ、行動パターン
  • 市場規模、トレンド
  • 競合他社の数、市場シェア

その他

  • ホームページ制作・リニューアルの予算
  • ホームページ公開のスケジュール感
  • 社内からの要望

これらの情報を収集することで、ホームページの方向性を明確化し、具体的な制作計画を立てることができます。

コンテンツ企画

ホームページ制作には、コンテンツ企画が欠かせません。ターゲットに響くコンテンツを制作するためには、ユーザーの意図を考え、メリットがあるよう工夫をする必要があります。

どのようなキーワードであれば、獲得したい層に読んでもらえるか、どのようなSEO対策をすればよいかなどを、順に考えましょう。

制作会社と連携

ホームページ制作を効率的に進めるためには、制作会社との連携が大切です。ホームページ制作を外注すれば、工数をあまりかけずに質の高いホームページが用意できます。ただ、制作会社を選ぶ際は、実績や口コミをしっかり確認しましょう。

実績を確認すれば、どのような強みがあり、どのようなホームページができるか想像できます。また、口コミを確認することで、コミュニケーションの質や、クオリティなどの判断材料になります。

自社にあった制作会社と連携し、効率的にホームページ制作を進めましょう。

運用体制

ホームページ制作会社と連携をしたら、自社の運用体制を整えてください。具体的には、担当者の選定や更新頻度、外部委託の有無などを決める必要があります。外部委託の有無は、自社のリソースとコストパフォーマンスによって判断するとよいでしょう。

ホームページは作って終わりではありません。新しい記事を書いたり、古い記事を見直さなければなりません。そのため、担当者や更新頻度を決定し、スケジュールを組んでおきましょう。

なお、運用体制を考える際は、CMSの導入を検討しましょう。CMSとは、Webサイトのテキストや画像・レイアウト情報などを一元的に保存・管理するシステムです。CMSを導入すれば、専門知識がなくてもWebページの更新や追加が簡単にできます。

ホームページの運用体制を明確にしつつ、今後のスケジュールを決定しましょう。

ホームページ運用で重要なこと

ホームページ運用では、以下の内容が重要です。

  • アクセス解析:データに基づいてホームページを改善する
  • SEO対策:検索エンジンで上位表示を目指す
  • SNS連携:情報発信を強化する
  • セキュリティ対策:セキュリティを万全にする

それぞれの重要なことを把握し、ホームページ運用を心がけてください。

アクセス解析:データに基づいてホームページを改善する

アクセス解析を行い、ユーザーの行動や属性などの情報に基づいて、ホームページの分析と改善を繰り返しましょう。

ホームページのアクセス解析におすすめのツール

ホームページの分析(アクセス解析)におすすめのツールは、Googleアナリティクスです。Googleアナリティクスは、ユーザーの利用状況がリアルタイムに把握できます。

分析すると良い項目 

  • アクセス数
  • ユニークユーザー数
  • ページビュー数
  • 滞在時間
  • 直帰率
  • コンバージョン率
  • 流入経路

これらのデータから、ユーザーの行動パターンやニーズを分析することで、ホームページの改善に役立てることができます。 また、分析結果から考えられる可能性とその対策には、以下などがあります。

特定のページの直帰率が高い場合

特定のページの直帰率が高い場合、ページ内容に興味が持たれなかった可能性があります。その場合は、ユーザーの検索意図に合致した内容になっているか、構成や表現方法に問題がないかなどを検討する必要があります。
場合によっては、キーワードの見直すのも手です。

離脱率が高かった場合

ホームページの離脱率が高かった場合は、ユーザーがサイトに興味を持っていないなどの理由が考えられます。その場合は、トップページのデザイン変更やページの見直しなどが必要です。

以上のように、Googleアナリティクスを使って定期的にアクセス解析~改善を行い、効率的にホームページの運用を進めましょう。

SEO対策:検索エンジンで上位表示を目指す

ホームページ運用をする上で、SEO対策をして検索エンジンで上位表示を目指すことは大切です。

ホームページはただ公開すれば良いわけではありません。 検索エンジンで上位表示されなければ、ユーザーの目に触れる機会は減り、本来の目的である集客や認知度向上につながらない可能性があります。

SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果ページで自社のホームページをより上位に表示させるための施策です。 SEO対策をしっかり行うことで、より多くのユーザーをホームページに呼び込み、コンバージョン(商品購入・資料請求・お問い合わせなど)につなげることが期待できます。

具体的なSEO対策の手法としては、下記のものが挙げられます。

  • キーワード選定
  • タイトルタグやメタディスクリプション設定
  • コンテンツSEO
  • 内部対策
  • 外部対策

タイトルタグとメタディスクリプションを設定すると、ユーザーが探している情報と関連性が高い情報と明示しやすくなります。また、被リンクの獲得はコンテンツの重要さを検索エンジンに伝えるために必要です。

SNS連携:情報発信を強化する

ホームページとSNSを連携すれば、ブランドや商品の認知度を向上させるきっかけづくりができます。ホームページだけだと集客力が弱いと感じる人は、SNSも積極的に活用しましょう。今はSNSのユーザーが非常に多いため、効果的に使えば相乗効果が見込めます。

ホームページとSNSを連携させたい場合は、SNSボタンの設置や投稿埋め込み、自動投稿などの方法があります。どのような媒体を、どこで連携させるかを考えたうえで、連携方法も設計しましょう。

ホームページとSNSで効果的な情報発信をするためには、定期的な効果測定が大切です。効果をしっかり可視化し、SNSとの連携でどれくらいの効果が得られているかを把握しましょう。

セキュリティ対策:セキュリティを万全にする

安心してホームページを運用するためには、セキュリティ対策が必要です。

具体的には、セキュリティソフトの導入とSSL化、個人情報保護の徹底をしてください。セキュリティ対策をきちんと行うことで、ホームページの脆弱性を狙ったサーバー攻撃を防ぐことができます。

SSL化とは、インターネット上の通信を暗号化するための技術です。SSL化をすれば、通信内容の盗聴や改ざんの防止ができます。また、お問い合わせフォームを設置してユーザーから個人情報を入力している場合は、個人情報保護の徹底が必要です。ユーザーの個人情報を保護する場合は、情報を保存しているファイルにパスワードを設定しておくとよいでしょう。

適切な対策をしつつ、ホームページの運用をしましょう。

ホームページ担当者としての成功するために

ホームページ担当者として成功するためには、広い視野と多様なスキルを持つことが重要です。

まず、現状分析や目標設定・ターゲット設定などの入念な調査と計画をします。次に、コンテンツの企画・制作会社との連携・運用体制の構築を行い、継続的に効果が出せるような仕組みを作りましょう。

ホームページ制作者として成功するためには、下記のようなスキルが必要です。

  • ウェブに関する知識
  • マーケティング知識
  • 分析力
  • コミュニケーション力
  • 情報感度

ホームページを運用する際は、PDCAサイクルを回し続けて継続的な改善を心がける必要があります。最新の情報や技術を習得し続けた上でホームページ運用をし、効率的に売上の向上や認知の向上をしましょう。