ちょっとパソコンやスマートフォンに詳しいだけで、「じゃあ会社のホームページ、お願いね」とWEB担当者にされてしまった方は多いのではないでしょうか。
いざ、会社のホームページを作成すべく制作会社に連絡したら「まずは要件をまとめてください」とつれなく言われてしまったり。。。
要件からまとめてくれる制作会社もありますが、そういったところは大手の制作会社が多く、要件定義の費用だけで結構な金額を提示されてしまったりします。
そこでホームページの作成やリニューアルを任せられた新人WEB担当者が行うべき、要件の取りまとめと提案依頼書の作り方をご紹介いたします。
そもそも提案依頼書とは?
提案依頼書に様々なことを記述しますが、主に書かれているのは要件です。
要件とは「信頼感のあるホームページにしたい」「顧客からの問い合わせを増やしたい(減らしたい)」といった大まかな目的や、「こういったデザインにしたい」「こういった機能が欲しい」「スマートフォンに対応させたい」といった細かい要望まで、様々な要望を取りまとめることをさします。
提案依頼書はこういった要望を5W1Hにそって取りまとめた書類です。
RFP(Request for Proposal)と呼ばることもあり、システム開発やホームページ制作ではよく使われる言葉です。
提案依頼ってどうやって行うの?
いくら自分が担当者だからといって自分の要望や意向だけで要件を決めてしまっては、公開前の社内チェックの段階で「これはおかしくないか?」「もっとこうして欲しい」「想像していたのと違う・・・」など、避難やクレームを言われかねません。
そうならないためにも各部門の要望や課題、ホームページに期待することを効率よく集めておくことが重要です。リニューアルであれば現在のホームページに対する不満点や、「こういうことをしたい」などの要望を確認すると良いでしょう。
それでは以下に具体的な要件の確認・取りまとめ方をご紹介いたします。
アンケートを実施する
まずはアンケートを実施しましょう。たくさんの人の意見を聞くことが望ましいのですが、対象の人数が増えれば増えるほど、聞き込みに時間がかかってしまいます。
アンケートであれば、一度にたくさんの人から意見を収集することが可能です。
自社ホームページに何が足りないか、どこを改善したら良いか、競合他社のホームページはどのような仕様か、などそれぞれの視点でアンケートを作成し回答してもらいます。
アンケートを実施する方法はいくつかあります。 まずWordやExcelなどで作成し、アンケート用紙を渡す、またはメールで送信する方法。
しかし紙ベースや個別のデータでは集計に手間がかかってしまいます。
そこで「Googleフォーム」などのオンラインアンケートサービスを利用すれば、選択や記述なども選ぶことができるので自由度があり、途中経過もリアルタイムに把握でき、最終的な集計まで手間がかかりません。
アンケート項目を作成し、WEBアンケートURLをメールで送信します。各部門へアンケートを依頼する際には、期限はいつからいつまでか、回収したらどのように使用するのか、回答結果の告知はどのように行うのか、を事前にきちんと伝えましょう。協力していただける人数も回収率も高まります。
それではもう少し詳しくアンケートの作り方を学習しましょう。
アンケートの作り方
様々なオンラインアンケートサービス
オンラインアンケートを作成する際に必要となるのがフォームです。
アンケートが作成できるサイトには、Googleが提供する『Googleフォーム』のほか、『クエスタント』、『CustomForm』などがあります。
社内向けなので無料で作成できる範囲で選びましょう。
アンケート配布先と配布方法
配布先は社内各部門(できれば全社員)、目的はホームページ作成、またはリニューアルです。
期限をきちんと明記していないと回収に手間がかかってしまいますので、わかりやすく記載しましょう。
質問数・質問内容・形式を決める、 選択肢から選ぶ、設定した文章から選ぶ、記述式など、各部門が要望や意見を伝えやすいアンケートを作成し、 想定される現在の問題点、課題をもとにアンケートを作成していきます。
営業部門への参考設問
- 次のうちどれが営業力の強化に役立ちますか
□お問い合わせ □資料請求 □予約 □会員登録 □メルマガ登録 □その他( ) - 自社商品の強みをお答えください( )
- 購買の関心を得られるサイトになっていると思いますか? □なっている □なっていない 理由( )
- 新規顧客の獲得に繋がっていますか? □繋がっている □繋がっていない
- 商品詳細やメッセージは伝わっていると思いますか? □はい □いいえ
- 顧客のリピート率は多いですか?少ないですか?
採用部門への参考設問
- 採用に特化したページはあるか
- 求人媒体に頼らず独自で応募を集められているか
- 採用した人材とのミスマッチを避けるための内容はどのように掲載したいか
- 求人時、より詳細な内容をホームページで伝えられているか
(事業内容、職種ごとの仕事内容、社風、経営理念、先輩写真のインタビュー、福利厚生情報などはわかりやすく記載されているか)
デザインやコンテンツ、操作性に対する参考設問
- TOPページの印象についてどう感じますか
- タイトルデザインについての印象はどう感じますか
- 現在のキャッチコピーについてどのような印象を受けますか
- メニューについて、目的の場所にスムーズに行くことができますか
- コンテンツについて見やすいですか
- お客様の知りたい情報は掲載されていますか
- スマホでの使用感はいかがですか
- 更新のしやすさについていかがですか
アンケートの取りまとめとヒアリング対象者の選定
集計したアンケートを基に気になった意見に対しヒアリングを行なっていきましょう。 忙しい中時間割いてアンケートを記入している状態ですが、詳細には書かれていないかもしれませんし、そう思った理由うや背景を確認しないと、本質的な問題にたどり着くことができないかもしれません。
事前に詳細ヒアリングを行いたいアンケート結果をまとめ、ヒアリングを行うことで引き出したい具体的内容を設定し、ヒアリングシートを作成します。
また、みなさん日常業務でお忙しいでしょうから、ヒアリングしたい理由を事前にメールなどで説明&アポイントの依頼を行いましょう。
アンケート&ヒアリングで顕在化した課題・要望を抽出する
アンケート&ヒアリングで得た結果を洗い出しましょう。ただし、全ての結果を反映・吸収すれば良いわけではありません。 ホームページリニューアルにおいて、有用な課題・要望を取捨選択していきましょう。
選択式のアンケートについては、全体像把握に適した『単純集計』と、属性ごとの把握に適した『クロス集計』を行いましょう。集計したデータをグラフ化すると可視化され、より傾向などがわかりやすくなりますよ。
顕在化した課題・要望を整理/グルーピングする
アンケート&ヒアリングで出たバラバラの課題・要望をいくつかの共有している情報同士を集め、わかりやすく整理するグルーピングを行います。
大まかなグルーピングとしてはデザインに関するものなのか、情報設計に関するものなのか、操作性に関するものなのか、機能的なものなのか、などに分けていきましょう。そして言葉や表現は違っていても本質的には同じことを言っている場合は一つの課題としてグルーピングいたしましょう。
課題や要望に重要度や優先順位をつける
グルーピングでまとめた課題・要望に優先順位をつけていきます。なぜならホームページの立ち上げやリニューアルには予算とスケジュールがあり、全ての課題や要望を解消できない場合があるからです。重要度や優先順位をつけておけば、今期は第1フェーズまで、来期の予算では第2フェーズから第3フェーズまで、といったようなフェーズ分けが行えます。
重要度や優先順位の付け方の参考としては、 ページビューが多いページや、一番印象に残る、インパクトのあるページを高くしましょう。 ページビューが少なくても、エントリーフォームやカートなどは、購入に繋がるページなのでリニューアルすることで成果が出やすい部分です。
課題や要望をまとめて提案依頼書(Request for Proposal)にする
課題や要望を洗い出し、グルーピングし、優先順位付けができたら、いよいよ提案依頼書にまとめましょう!提案依頼書には今まで行ってきか活動内容を以下のような項目で整理・記述いたします。
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背景・経緯
目的(ゴール)
解決したい課題・要件
依頼範囲
条件(仕様)
予算
納期(スケジュール)
選定方法
連絡先(担当者)
提案期日
提案依頼書、できましたでしょうか?この提案依頼書を作成していれば、社内のホームページに対する要望や課題を把握できますし、依頼会社との認識齟齬を防げるばかりか、より完成度の高いホームページを期待することもできますよ。
*個々の項目についてはまた別の機会にご紹介させていただきます。
提案依頼書をどうしても作成する時間を割くことができなければ、お気軽にトラムへご連絡ください!トラムでは提案依頼書の作成はもちろん、オリエンテーリングのしかたや依頼会社の評価のしかたまで様々なお手伝いが可能です。
某有名大学のホームページリニューアルにおける課題の抽出から提案依頼書の作成までを担当した実績もございますので、安心してお任せください!
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