SEO対策の新しい概念として話題となった「トピッククラスター」をご存知でしょうか?

トピッククラスターとはサイト内の特定のトピックの集合体のことを指します。トピッククラスターを活用した戦略をサイトに導入することで、関連するコンテンツを有機的につなげられるだけでなく、サイト構造の整理もできるメリットがあります。ユーザーや検索エンジンからの高評価が得られやすいため、現在ではSEO対策でキーワード選定と同時に、重要視されている考え方です。

そこで本日は、トピッククラスターの概要やメリット、作り方についてを解説します。

トピッククラスターとは

トピッククラスターとは、メイントピックと、それらを補足するサブトピックの集合体のことで、昨今注目を集めたメディアコンテンツの整理方法です。メイントピックとサブトピック同士をリンクでつなぐことで、サイト構造の整理だけでなく、バラバラに存在していたトピックを有機的につなげることができます。

またトピッククラスターにおいては、メイントピックをピラーコンテンツ、サブトピックをクラスターコンテンツと呼んでいます。

ピラーコンテンツ

ピラーコンテンツとは、主に1〜2語のビック・ミドルキーワードです。トピッククラスター内で中心となる記事のことです。読者がそのキーワードについて抱える疑問を全て解消し、そのトピックを広範囲に網羅した記事といえます。

ピラーコンテンツはまとめページのようなもので、トピッククラスター全体を木にたとえると、ピラーコンテンツは木の幹にあたります。

クラスターコンテンツ

クラスターコンテンツとは、ピラーコンテンツを補足する個別記事を指します。主に3〜4語のロングテールキーワードを狙った記事で、全てピラーコンテンツに関連している点がポイントです。

木の幹となるピラーコンテンツに対して、クラスターコンテンツは木の枝にあたります。

トピッククラスターの具体例

具体的に「ブログ 収益化」をピラーコンテンツ(幹)のキーワードとした場合を考えてみます。

この場合のクラスターコンテンツ(枝)で狙うキーワードは以下のようになります。

  • ブログ 収益化 仕組み
  • ブログ 収益化 難しい
  • ブログ 収益化 初心者
  • ブログ 収益化 期間
  • ブログ 収益化 記事数

※ピラーコンテンツに関連するキーワードであれば、必ずしもピラーコンテンツのワードを含む必要はありません

これら3〜4語のロングテールキーワードの記事を作成し、それらを内部リンクでピラーコンテンツ(幹)に集約するイメージです。このようにピラーコンテンツを軸に、周囲のクラスターコンテンツとの間に内部リンクを張り巡らせる構成方法を、トピッククラスターといいます。

トピッククラスターモデルのSEO的メリット

続いてトピッククラスターのSEO的な観点から優れている点をそれぞれご紹介します。

ビッグ・ミドルキーワードで上位表示が狙いやすくなる

トピッククラスターモデルを構築すると、ピラーページ(ビック・ミドルキーワード)の上位表示がしやすくなります。

ピラーページで対策しているキーワードは、いわゆるビッグ・ミドルキーワードに分類される「検索ボリュームが大きく、検索意図が多岐にわたるもの」です。

トピッククラスターモデルを構築することでピラーページの評価が上がる理由としては以下2つがございます。

内部被リンクによって、リンクジュースがピラーページに多くわたる

リンクジュースとは「各ページが持つSEO評価がリンクによって他ページへ渡る効果」のことです。

リンクジュースが多ければ多いほど、ページのSEO評価は上がるため、順位も上昇する傾向にあります。

トピッククラスターにおけるピラーページは「必然的にクラスターコンテンツからの内部被リンク」が多くなります。内部被リンクが多ければ、たくさんのリンクジュースが渡ため、ピラーページの評価が必然的に高まり、順位が上がりやすくなります。

また、「関連性が高いコンテンツ間のリンクの方が、より多くのリンクジュースが渡る」という概念もあり、単なる内部リンクよりかは同一テーマからの内部リンクの方が価値が高くなります。

よって、ピラーページは関連度の高いコンテンツから大量の内部リンクを受け取るために、リンクジュースが大量に集まり、順位が上がりやすくなります。

クラスター全体でユーザーの検索意図を網羅できる

あまり意識されないことが多いですが、キーワードごとにSEO対策のスコープは異なっており、具体的には以下の図のようになります。

キーワード種別対策スコープ
ビッグドメイン全体
ミドルカテゴリ/トピッククラスター
ロングテールページ単位

以上のようにミドルキーワードは「トピッククラスター」を対策のスコープとして、上位表示を狙います。

検索意図が多岐に渡れば渡るほど、ページ単位で検索意図を満たすことが不可能になります。ミドルキーワードの検索意図はそれなりに多岐に渡るため、1ページで満たそうとすると、ユーザビリティの悪い超ロングコンテンツになってしまうため、Googleとしても「コンテンツの塊」で評価しようとします。

よってコンテンツの塊≒カテゴリ/トピッククラスターで検索意図が満たすことができているかどうかが評価軸になるのです。

ミドルキーワードの上位表示を狙っていくためには、丁寧かつ戦略的にトピッククラスターを構築していく必要があります。

トピッククラスター全体の平均順位の底上げにつながる

トピッククラスターモデルでは、ピラーページだけではなく、それを支えるクラスターコンテンツも同様に順位が上がりやすくなります。

上述の通り、リンクジュースは関連するコンテンツ間の方が流れやすく、クラスターコンテンツからピラーページに大量のリンクジュースが流れます。

リンクジュースが集まったピラーページからクラスターコンテンツに向けても内部リンクが存在し、リンクジュースを一定割合返していくため、巡り巡ってトピッククラスター全体の順位が底上げされるのです。

ロングテールキーワード戦略を実践できる

トピッククラスターモデルと、ロングテールキーワード戦略の相性は非常に良いとされています。ロングテールキーワードとは「3語や4語のキーワードの掛け合わせで生成される複合キーワードのこと」で、競合性が低く上位表示が狙いやすいです。

ロングテールキーワードはページ単位の評価で上位表示が狙えるため、トピッククラスターのクラスターコンテンツはページをきちんと作り込めば、ドメインがそこまで強くなくても上位表示が狙えます。

上位表示ができたクラスターコンテンツから、包囲的なトピックをまとめたピラーページに読者を送客することによって、キラーページ(コンバージョンしやすいページ)に読者を送り込みやすくなります。

たとえ、クラスターコンテンツがコンバージョンから遠い検索ニーズに対応している記事であったとしても「クラスターコンテンツ→ピラーページ→キラーコンテンツ」のように導線を設置しておけば、コンバージョンにつながるかもしれません。

トピッククラスター×ロングテールキーワード戦略は、個人ブログや小規模サイトなどの「弱者のSEO戦略」として非常に優れております。

トピッククラスターの作り方

ここまでは概要とメリットについてを紹介してきました。

ここからは実際にどのようにトピッククラスターを作るのかを説明していきます。具体的なステップと意識する点をそれぞれご紹介します。

STEP1 トピックを選定する

先ずはトピックを定めます。

ここで選定するトピックは、少し大きめの概念のものを選びます。

キーワードではないので以下のような粒度になります。

  • 20代の転職活動
  • TOEICの勉強方法
  • コンテンツマーケティングの手法

STEP2 ピラーページの対策キーワードを定める

そのトピックに興味がある人が検索するであろうビック・ミドルキーワードの選定を行います。

そのトピッククラスターで最終的に上位表示を目指したいキーワードは何かを考えての選定がおすすめです。

基本的には1語、もしくは2語程度のキーワードで、先ほどの例であれば、以下のようなキーワードになります。

  • 20代 転職
  • TOEIC 勉強方法
  • コンテンツマーケティング 手法

STEP3 クラスターコンテンツを選定する

ピラーコンテンツが定まったら、周辺のクラスターコンテンツの選定です。

各種SEOツールを用いて、キーワードの洗い出しを行うのがおすすめです。

ここでトピックが重複してしまうと「カニパリゼーション」が生じてしまい、トピッククラスターやドメイン全体の評価を押し下げることになってしまいます。

キーワードマッピングを見ることのできる有料のコンテンツマーケティング系ツールを利用したり、AhrefsやSEMRushのように莫大なキーワードデータベースをもつSEOツールを利用することで選定が楽になります。

STEP4 内部リンク構造を定める

ピラーページとクラスターコンテンツが定まれば、あとはそれらをどのように内部リンクで結ぶかです。基本的な概念としては以下になります。

  • 全てのクラスターコンテンツからピラーページに内部リンクを送る
  • クラスターコンテンツ間は、必要であれば内部リンクを送り合う

内部リンクの貼り方については次の「トピッククラスターを作る上で意識する点」にて詳細に説明します。

トピッククラスターを作る上で意識する点

トピッククラスターを作る際にはいくつか注意しておく点があります。

どれも絶対に守るべきルールではないので、あくまで参考として紹介します。

  • クラスターコンテンツからピラーコンテンツへのリンクは、テキストリンクにして、アンカーテキストにピラーページの対策キーワードを入れる
  • クラスターコンテンツからピラーコンテンツへのリンクは、なるべく冒頭へ入れる
  • クラスターコンテンツ同士のリンクは、クラスターコンテンツからピラーページへのリンクよりも下部に入れる

まとめ

いかがでしたでしょうか。

特にロングテールキーワードでの戦略には有効なので、競合が多い業界ほど積極的に取り入れてはいかがでしょうか。

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