駆け出しWebデザイナーのための「グラフィックデザイン」超基礎編

あいきゃっち

昨今Web制作会社でも、付随してフライヤーやパンフレットのグラフィック制作依頼があるかと思います。デザイン職をWebから始めた方は、紙媒体のノウハウがあまりないかと思います。紙媒体の制作は事故にあったら莫大なマネーが発生する可能性があるため、取り返しがつきません。そこで、グラフィック「ほぼ未経験者」に、これは知っておかないと危険!事故回避につながるポイントをご紹介します。

目次

使用ソフト

グラフィックデザインはメインでイラストレータを使用し、サブでフォトショップを使用します。
また編集系の媒体ではインデザインなど編集用のアプリのほうが便利だったりします。その理由はWebでいうコンポーネントの設定ができるため、ページ数が増えても同じパーツを使い回したりできるからです。

単位

紙媒体の基本的な単位はミリとポイントです。環境設定にある単位で変換しましょう。

ミリをセンチでも問題ないですが、ミリ単位でオブジェクトを動かしたり設定するため、ミリのほうが好ましく主流だと思います。また文字はポイント(pt)です。写植の時代や編集物を手掛けている方は級(Q)や行間は歯(H)の方もいらっしゃいます。

線は特に決まりがありませんがポイントの人が多いのではないでしょうか?ミリでも問題ありません。ちなみに線の事を罫線を略してケイと呼ぶ事もあります。

線の印刷可能な幅は約0.3ptです。これは0.1mmにあたります。これ以下になると印刷で消えてしまう可能性がありますので注意しましょう。

CMYK

グラフィックの世界での色設定はCMYKです。RGBでは印刷できません。
他の人と色の共有をする際はだいたい5単位で設定します。M75Y30的な事です。ちなみに「金赤で〜」と言われたら「M100Y100」です。他にもリッチブラックなど色に名称のあるものが存在します。

Webからチラシなどへ素材を共有する時に気をつけなければいけないのが画像です。Webで使用しているのはRGBなので、CMYKに変換する必要があります。また解像度も72pxですが300〜350pxのものを用意しないといけません。

解像度の変換は下の画像のように行いましょう。

また解像度が正常でもイラレに貼った際、80%〜120%の間(印刷所によっては70%〜130%)でないと粗いなどの問題が発生します。拡大に関しては画像が粗くなる事はわかると思います。ではなぜ縮小がだめなのか。いくつかありますが代表的に以下の問題があります。

  • 印刷品質への影響
    縮小しすぎるとアンシャープマスクの効果がなくなる。
  • 後行程への配慮
    無駄に重い画像ファイルがあると、印刷側の出力処理で無駄に時間がかかってしまう。
  • 作業効率への配慮
    無駄に重い画像ファイルがあると、Aiファイル保存時に無駄に時間がかかってしまう。


画像の保存形式

昔はEPS保存の一点ばりでしたが、今はpsd、jpg、pngなどまあだいたいいけます。ですが、できる限りepsで保存したほうがファイルが軽くなります。軽くなるメリットは前述の通りです。

画像やファイル名は英数字半角記号でつける事をおすすめします。
理由は漢字やひらがなが入るとデータ共有の際に文字化けがおこる可能性があります。ましてMAC、Windows間のやりとりなら尚更です。一番怖いのは画像のリンクが外れる事です。そして外れたリンク画像が文字化けしていたら、どのファイルとつないでいいのかわからなくなるのです。おーこわっ!

塗りたし

入稿の際にはトンボをつけた後、塗りたしを3ミリつけましょう。大きいものになると5mmの場合もあります。これは印刷工程の断裁の際にちょっとずれてもデザイン面があるためにつけるもので必須です。ページが大量になると忘れがちになりますので、入稿データチェックは複数人で行いましょう。

マージン

制作に入る際にデザイン範囲を決めます。一般的にB5・A4は7〜15mmなどネット検索すればでてきますが、制作物によって決めるのがいいでしょう。例えば安売りや特報的なものであれば、マージンは狭いほうが緊張感がでます。

気をつけたいのが断裁からの距離です。あまり近すぎると断裁時にずれると一緒にその部分も削られます。5mm以上はあけるのがいいでしょう。

もっとも気をつけたい入稿時

入稿時はミスがおこりやすいひとつです。

入稿時にすることは会社によってまちまちですが、筆者が思う必ずすることをあげてみます。

  • トンボの設定と塗りたし
    トンボがレジストレーション(CMYK100%)になっているか
  • スウォッチの削除
    使用カラーに特色などがスウォッチで選ばれているとCMYKでない可能性があります。
    カラーを削除することにより、CMYKに変換されます。
  • レイヤーの結合
    レイヤーをわけていると、印刷時の面つけの際に、誤ってページ間で階層の違うレイヤーにペーストしてしまう可能性があり、データ自体がおかしくなります。
  • ドキュメントとリンク画像のCMYK設定
    RGBだとエラーを指摘される事があります。最悪印刷されません。

会社によっては入稿データチェック表があり、見落とさないよう徹底している場合もあります。また入稿データができましたら、複数人でチェックすることを心がけましょう。

余談:QRコード

私はQRコードは画像を貼り付けず、ベクターデータにしています。それは、制作時に何度もURLが変わり、都度画像を張り替えているとファイル名が被った場合に違うQRとリンクがつながったり先祖帰りを避けるためです。またいちいちベクターにする事によって、「張り替える」という作業が発生し、ミスを避けるためです。

また、QRの色味を変えやすくなり、デザインの幅が広がります。色変えの際は読み込めない彩度があるため、確認は必須になります。

ただし、計測を踏むQRは注意が必要です。

最後に

いかがでしょうか?グラフィックを経験している方からすればなんて事ない記事ですが、経験が長い方も特に入稿時のことは経験をつめばつむほどおざなりになってしまい、ミスの可能性がないとはいえないのではないでしょうか?初心忘れるべからずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社トラムが運営するGarageのアカウントです。
デジタルマーケティング担当者、Webサイトの運用担当者、中小企業経営者にとって役立つWebサイトの構築・運用情報を提供してまいります。

目次