これまでリブランディングについて記事を投稿してきましたが、改めてブランディングとは何か、近しい意味を持ちそうな言葉との違いが何かを知るために、それぞれの単語の意味をまとめてみました。
そもそもブランドとは
「ブランド」という言葉の意味を調べてみたところ、もともとは古ノルド語で『焼き印をつける』という意味の『ブランドル(BRANDR)』が語源だといわれており、飼っている家畜に目印として焼き印をつけることを意味したと言われているようです。しかし、これでは現代でイメージされているブランドの意味としてなんとなく違う気がしました。
そこで更に調べてみると、一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会にて以下のように定義されているようです。
「ある特定の商品やサービスが、消費者・顧客によって『識別されている』とき、その商品やサービスを『ブランド』と呼ぶ」 とされています。
(引用:ブランド用語集|一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会:https://www.brand-mgr.org/knowledge/word/)
少し堅い表現になっていますが、なんとなく現代で使われているブランドという言葉の定義としてイメージができます。
他にもブランドの意味について検索をしたところ、様々なサイトやブログでブランドの定義について記載がありました。それらを比較したところ、一言一句同じ定義をしている人はいませんでしたが、多くの人が類似する商品やサービスとの違いを認識するためのものということを挙げていました。
ブランディングとは
ブランディングとは、上記で述べたブランドを顧客に認識させるための活動全般のことをさします。
ブランディングをすることで、消費者にその商品やサービスの特徴を認識するためのイメージをもたせることを目指します。
ブランディングは主に「インナーブランディング」と「アウターブランディング」の2種類に分けられます。
インナーブランディング
インナーブランディングとは、企業が自社の従業員に向けて行うブランディングのことを指します。
企業が成果を上げて成長し続けるためには、顧客に対するサービス向上はもちろんですが、志の高い従業員を育てることも大切です。従業員に対して自社の価値観や理念を共有することで、社内全体で一体感を持つことができます。従業員全員が自社の価値を正しく理解できていれば、その企業の強みにもなるため、ステークホルダーに対してもインナーブランディングの効果が生きてくるでしょう。
インナーブランディングの手法としては、社内報や社員向けのサイトなど社内に向けた情報発信を行うことや、研修や懇親会など従業員参加型のイベントを開催するなどがあります。
まとめると以下になります。
- 対象: インナーブランディングは、組織内の従業員やステークホルダーに焦点を当てます。
- 目的: 組織のメンバーに対してブランドの価値観、ミッション、ビジョンを共有し、共感を生み出すことが目的です。従業員がブランドに共感し、それを理解し、体現することを通じて、外部にポジティブなイメージを伝える手助けをします。
- 手段: 内部コミュニケーション、トレーニング、従業員エンゲージメントなどが含まれます。
アウターブランディング
アウターブランディングとは、消費者や顧客など社外に向けたブランディングです。
アウターブランディングの手法としては、顧客向けの広告やポスター、WebサイトやSNSでの発信など社外の人に向けた情報発信があげられます。顧客に対して魅力的で一貫性のあるブランドメッセージを発信し、ブランド価値を高めることが目的です。
まとめると以下になります。
- 対象: アウターブランディングは、外部の顧客、市場、一般の人々に向けられます。
- 目的: ブランドの知名度を高め、顧客に対して特定の価値やメッセージを伝え、競合他社から差別化を図ります。外部の認知度と信頼性を構築し、市場でのポジショニングを向上させます。
- 手段: 広告、マーケティングキャンペーン、ソーシャルメディア活用、パブリックリレーションズなどが含まれます。
改めてリブランディングとは
ブランディングに再びを意味する「re」をつけたもので、ブランド再開発とも言いかえられます。
定義としては、「今ある経営資産やブランドを活かしつつ、新しい顧客にも受け入れられるブランドへと定義しなおすこと」になります。
時代に合わせて商品やサービスのアピール手法を変えることで、長く愛されるブランドが誕生すると言われています。
ブランディングに近い意味を持つ用語
ブランディングについて調べるうちに、ブランディングと近い意味を持つ単語がいくつか見つかりました。それらの定義も合わせて紹介します。
マーケティング
マーケティングとは商品を売るための活動全般を指します。
マーケティングでは、商品開発から販売戦略の策定、広告宣伝に効果検証までの一連のプロセスを計画して実行・管理することで、売れる仕組みを作ることを指します。
PR
PR(public relations)とは日本語に訳すと「広報」という意味で、定義としては以下になります。
組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。
(引用:公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会)
なんとなく広告という意味合いだと思っていましたが、実際には組織と人と関係構築をするための考え方や行動のことを指すようです。
まとめ
これまでの内容を振り返って、ブランドとは顧客にその商品やサービスの特徴や類似するものとの違いを認識してもらうためのものであり、リブランディングにおいては、新しい顧客にそのイメージをどうやってうえつけるか、そもそもそのイメージを定義することが必要だと知ることができました。
今後のトラムのリブランディングにおいて、まだ具体的な行動指針のようなものはありませんが、リブランディングにおける活動において、今回知った内容を踏まえた上で行動しようと思います。